第19回 NICT/EMC-net シンポジウムを開催
2025.10.21
当研究所の電磁波標準研究センター電磁環境研究室は、我が国の電磁的両立性(EMC)分野の技術向上を目的として、研究者や技術者が情報交換や意見交換を行うオープンフォーラム「NICT/EMC-net」を2006年に設立し、オープンイノベーション活動を継続している。本フォーラムは4つの研究会で構成されており、年に一回の頻度で全体のシンポジウムを開催している。今年度は10月7日(火)にNICTイノベーションセンターにおいて「第19回NICT/EMC-netシンポジウム」を開催した。当日は電気電子機器及び測定機器等のメーカー、試験機関、大学、総務省などから87名(関係者25名を含む)の参加をいただいた。
毎年のシンポジウムにおいてはEMC関係者の関心を集めるテーマを設け、各界の著名な専門家に基調講演を依頼している。本年度は高電磁界過渡現象に焦点を置いて、NTTアドバンステクノロジ株式会社の富永哲欣様から、「HEMPとITUーT K.78」について基調講演をいただいた。高高度電磁パルス(HEMP)の物理的原理、影響範囲、国際標準化(特にITU-T K.78)の経緯と意義、ならびに社会インフラのレジリエンス強化に向けた試験・研究の重要性についてご解説いただき、多数の質問が寄せられるなど大きな関心を集めた。続いて、NICT電磁波伝搬研究センター宇宙環境研究室の津川卓也室長から、「宇宙天気現象とその社会的影響 ~大規模太陽フレアによる社会インフラ障害に備えて~」の講演をいただき、太陽フレアなどの宇宙天気現象が通信・測位・電力など社会インフラに与える影響、NICTによる予報高度化や新警報システムの取組、さらにEMC分野の知見が宇宙天気災害の被害低減に貢献し得ることにも触れられた。また、EMCの国際標準化に関わるNICT/EMC-net会員のために、最近の国際規格審議の情報提供として、電磁波標準センター電磁環境研究室の藤井勝巳上席研究員より、今後のミリ波帯の電波利用拡大を見据え、18~40 GHz帯における放射妨害波測定法・アンテナ校正法の検討状況を紹介した。
第2部では昨年度におけるNICT/EMC-netのEMC測定法研究会、EMC校正法研究会、人体の電波ばく露評価研究会の活動報告が行われた。
【リンク】
【基調講演】
 
                  富永様(NTTアドバンステクノロジ)
【講演】
 
                  津川室長
 
                  藤井上席研究員
【活動報告】
 
                  石上教授(東北学院大学)
 
                  浜田マネージャー
 
                  大西研究マネージャー
 
                  会場の様子
プログラム(敬称略)
| 【第1部】 高電磁界過渡現象に関わる取り組みの実際 | 
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| 【第2部】 NICT/EMC-net 活動報告 | 
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