大久保研究員が
「第43回レーザセンシングシンポジウム『廣野賞発表賞』」を受賞

2025.10.21

2025年9月5日、第43回レーザセンシングシンポジウムにて、当研究所電磁波伝搬研究センターリモートセンシング研究室の大久保洸祐研究員が「廣野賞発表賞」を受賞した。廣野賞は、レーザセンシング分野の発展に多大な貢献を果たした故・廣野求和先生(九州大学名誉教授、1957年から1967年までは郵政省電波研究所に在籍)の功績を記念して、2008年に創設された賞である。従来、レーザセンシング学会(LRSJ)が主催するレーザセンシングシンポジウムにおいて優秀な発表者に廣野賞として授与されてきたが、2024年より優れた業績を挙げた若手研究者を表彰する廣野賞奨励賞が創設されたことに伴い、名称が廣野賞発表賞に変更された。

大久保研究員は、ドローンの安全走行や都市気象観測の高度化に向けて、地表近傍(高度100 m以下)の風の場を計測するための新しいリモートセンシング技術の開発に取り組んでいる。「高分解能風計測に向けた2 μm帯ドップラーライダー光源の開発および性能評価」と題した本発表では、その中核技術として開発に成功した眼に安全な波長域(2 μm帯)を用いた高空間分解能ドップラーライダー(LCDL)光源について紹介した。本研究は、NICTが有する眼に安全なレーザ開発技術と、同研究員が博士課程在籍中に千葉大学で培ったLCDLの設計・実装技術を融合させたものであり、従来技術では困難であった地表近傍の風計測に新たな可能性を示すものとして学術界・産業界の双方から注目を集めている。今回、理論的検討から光源の設計・開発、実証試験までを取りまとめた発表と、自らの考えを堂々と述べる質疑の姿勢が高く評価され、受賞に至った。

【リンク】

大久保洸祐研究員(左)とレーザセンシング学会会長の阿保真先生(右)

大久保洸祐研究員(左)とレーザセンシング学会会長の阿保真先生(右)

「廣野賞発表賞」表彰状

「廣野賞発表賞」表彰状