タイ国立計量研究所(NIMT)の来訪およびMOU延長調印式

2025.4.22

2025年4月10日、タイ国立計量研究所(NIMT)からポーンチャイ・スティーラクン(Pornchai Suteerakune)所長を団長とする計8名の訪問団がNICT本部に来訪し、両機関の協力覚書(MOU)の延長に関する調印式を実施した。来訪メンバーには、時刻・周波数標準を所掌するElectrical Metrology Departmentの部門長も含まれており、同分野における今後の協力強化に向けた意見交換を行った。

NIMTとNICTは2009年にMOUを締結し、「時刻・周波数標準・時刻周波数比較の3分野における情報交換、研究室および構成員の能力拡大」を目的に協力を進めてきた。MOUは5年ごとに更新されており、今回が3回目の延長となる。直近5年間には、能力開発セミナーの企画(新型コロナウイルス感染症により中止)、NIMT主催の国際シンポジウムでの井戸時空標準研究室長による基調講演など、連携の実績が重ねられており、両機関がともにMOUの延長を希望した。

当日は、調印式に先立ちラボツアー(2時間程度)が行われた。光格子時計、インジウムイオン時計、Wi-Wi、GNSSを用いた時刻比較、日本標準時の生成設備について、それぞれ担当研究者から説明を行った。その後、本館展示室を見学した後、MOU延長の調印式を、NICT安井理事とスティーラクン所長を署名者として実施した。NICT側からは安井理事を筆頭に計5名が出席した。

調印式後の懇談では、若手人材のリクルートに話題が及んだ。NIMT側からは、海外の大学や研究機関に所属するタイ人研究者の採用に向けた努力をしていることが紹介された。NICT側からは、大学生や社会人が量子に関わる研究に触れる機会を提供するNQC(NICT Quantum Camp)などの活動を通じて、NICTでの研究を将来の選択肢として認知してもらう取り組みを紹介した。

今回の調印式の様子はNIMTのWebサイトにおいてもNews欄で取り上げられている。東南アジア地域との連携強化はNICTにとっても重要なテーマであり、今回のタイの例のみならず、継続的な協力関係の深化を検討していく。

【リンク】

署名したMOU延長覚書を示すスティーラクン所長と安井理事

署名したMOU延長覚書を示すスティーラクン所長(左)とNICT安井理事(右)

調印式への参列者記念撮影

調印式への参列者記念撮影