第19回宇宙天気ユーザーズフォーラムを開催
2025.4.8
2025年3月7日(金)10:30-17:30に、「第19回宇宙天気ユーザーズフォーラム」をNICT本部における対面とWebexウェビナーを用いたオンラインのハイブリッドで開催した。本フォーラムは、NICTが配信する宇宙天気情報の正確な利用方法の周知と、関連するトピックについてNICT内外の専門家から講演を行うものであり、2003年から規模を拡大しながら年1回を基本として継続して開催し、19回目を迎えた。
当日は、冒頭、主催者を代表してNICT安井理事による開会挨拶の後、当研究所の宇宙環境研究室若手研究員による「宇宙天気ミニ講座」を開催し、太陽・太陽風・磁気圏・電離圏に関する基礎的な説明や宇宙天気情報の利用方法について説明した。午後には、ユーザー側からの講演として、株式会社ジェノバの藤原智様より「高精度GNSS測位への電離圏擾乱の影響」と題して、2024年5月に発生した大規模太陽フレアのGNSS測位への影響など、実利用での宇宙天気の影響と今後の高精度測位の安全・安心な利用に必要な対策についてのご講演、日本航空株式会社の松澤弘樹様より「宇宙天気が航空機の運航に与える影響について」と題して、実際の航空運用において宇宙天気現象がどのように影響してくるか、今後日本の航空業界が宇宙天気予報を公式に利用するための課題についてのご講演をいただいた。続いて、津川宇宙環境研究室長より「2024年の宇宙天気」と題して、2024年5月及び10月にお知らせウェブ発表を行った大規模太陽フレアイベントの詳細や過去1年間の宇宙天気に関する推移、国内外における社会動向、研究活動について紹介した。最後に中川電磁波研究所長より挨拶を述べて閉会した。
昨年に続き対面とオンラインのハイブリッド開催により、現地参加は40名以上、オンライン参加が120名以上と非常に盛況であり、閉会後に行われた「質問コーナー」でも多くの質問が寄せられるなど、活発な議論となった。
今後、参加者からいただいた意見などを踏まえ、本フォーラムの内容や開催方法についても検討を進め、宇宙天気情報利用者の裾野を広げる場として本フォーラムの開催を継続していきたい。
【リンク】

会場の様子

閉会後の質問コーナー
プログラム(敬称略)
10:30-10:35 | 開会の挨拶国立研究開発法人情報通信研究機構 理事 安井 元昭 |
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10:35-11:05 | 宇宙天気ミニ講座(太陽編)宇宙環境研究室 大辻 賢一 |
11:05-11:35 | 宇宙天気ミニ講座(太陽風編)宇宙環境研究室 塩田 大幸 |
11:35-12:05 | 宇宙天気ミニ講座(磁気圏編)宇宙環境研究室 中溝 葵 |
12:05-12:35 | 宇宙天気ミニ講座(電離圏編)宇宙環境研究室 西岡 未知 |
12:35-13:45 | 昼休み |
13:45-14:25 | 講演1:高精度GNSS測位への電離圏擾乱の影響株式会社ジェノバ 藤原 智 |
14:25-15:05 | 休憩 |
15:05-15:45 | 講演2:宇宙天気が航空機の運航に与える影響について日本航空株式会社 松澤 弘樹 |
15:45-15:55 | 休憩 |
15:55-16:35 | 講演3:2024年の宇宙天気(オンライン)宇宙環境研究室 室長 津川 卓也 |
16:35-16:40 | 閉会の挨拶国立研究開発法人情報通信研究機構 電磁波研究所 所長 中川 勝広 |
16:40-17:30 | 宇宙天気予報室見学会、質問コーナー |