第7回アジア・オセアニア宇宙天気連合ワークショップの開催

2024.11.19

2024年10月8日(火)から11日(金)まで、タイ・スワンナプーム国際空港に隣接するノボテルバンコクスワンナプームエアポートホテルにおいて、「第7回アジア・オセアニア宇宙天気連合(Asia-Oceania Space Weather Alliance : AOSWA)ワークショップ2024」が開催された(主催:タイ・GISTDA、事務局:NICT)。AOSWAは、アジア・オセアニア域では初となる宇宙天気に係る研究開発や業務等の活動を主テーマにした国際的な活動の枠組みであり、NICTの主導により7カ国13機関によって2010年に設立された。2012年2月にタイのチェンマイで第1回ワークショップを開催したのを皮切りに、中国(2013年11月)、日本(2015年3月)、韓国(2016年10月)、インドネシア(2018年9月)、マレーシア(2023年10月)で約2年に1回のペースでワークショップを開催し、現在17カ国40機関が加盟するまでに成長している。今回、タイの宇宙天気予報センターを運用しているタイ地理情報・宇宙技術開発機関(GISTDA)主催により、昨年に続き対面での第7回ワークショップ開催となった。

今回、8つのセッション(※)と3つの基調講演で構成されたプログラムで、AOSWA事務局であるNICTを代表して当研究所電磁波伝搬研究センターの津川宇宙環境研究室長からの歓迎挨拶後、GISTDAのPakorn長官による開会宣言により幕を開けた。タイ、マレーシア、日本、中国、韓国、豪州等15カ国から100名が参加し、各国における宇宙天気に関する研究や運用に関する発表(オーラル57件、ポスター18件)を行った。NICTからは6名が参加(2名はリモート参加)、セッションコンビーナーや研究成果の発表等を行った。

宇宙環境研究室のSepti主任研究員が企画・提案したセッション「Connect the Local Observation to Global Network and Space Weather Services」では、各国からの宇宙天気観測・運用の現状と目標について報告された他、これまでのアンケート結果を踏まえ、地域の宇宙天気観測をどのようにグローバルネットワークにつなげるかについて議論された。特に、NICTが提案した宇宙天気観測や運用について発展途上にある国々を対象とした宇宙天気予報のトレーニングプログラムについては多くの質問やその後の問合せも多数あるなど、大きな関心を集めた。

その他のセッションも質疑応答で時間を超過する講演が多く出るなど、大変盛況であった。また、期間中に開催されたビジネスミーティングでは、AOSWAの今後の方針や次回ワークショップについて議論された。今後もAOSWAを通じて、アジア・オセアニア域の宇宙天気関連機関との連携強化を図っていきたい。

※ AOSWA 2024 : Session
1. Thermosphere, Ionosphere, and Magnetosphere Dynamics and Interactions
2. Monitoring and Simulation of Solar Activity and Space Radiation
3. Connecting the Local Observation to Global Network and Space Weather Services
4. Space Weather Awareness and Public Outreach
5. AI and New Techniques of Space Weather Forecasting
6. CGMS Efforts to Improve User Access to Operational Space Weather Data
7. General Topics on Space Weather
8. Space Weather Impact and Mitigation

【リンク】

津川室長 歓迎挨拶

津川室長 歓迎挨拶

GISTDAパコーン長官 開会宣言

GISTDAパコーン長官 開会宣言

口頭発表セッション

口頭発表セッション

パネルディスカッション

パネルディスカッション

ポスターセッション

ポスターセッション

エクスカーション

エクスカーション

参加者集合写真

参加者集合写真