「第4回時空間同期シンポジウム」を開催
2024.11.1
当研究所の電磁波標準研究センター時空標準研究室が掲げる「時空間同期」ビジョンの共有・連携・加速を関連企業と進め、裾野が広い開発環境を醸成するため、2024年11月1日にNICT小金井本部にて「第4回時空間同期シンポジウム」をハイブリッド形式で開催した。当日は民間企業、大学等から合計108名(うち大学・研究機関から50名、民間企業から58名)の参加をいただき、92名が対面参加するなど盛況なものとなった。
プログラムは2部構成であり、第1部では、総務省受託研究「周波数資源の有効活用に向けた高精度時刻同期基盤の研究開発」の総合研究会として、当該研究開発を構成する7つの研究課題の代表者から最新の研究成果が報告されるとともに、パネル形式にて活発な質疑応答がなされた。
第2部では、時空標準研究室の井戸室長の挨拶のあと、NICTの時空間同期技術の紹介として志賀主任研究員より「時空間同期変革の展望とWi-Wiの紹介」と題して講演を行った。また、時空間同期技術のユースシーンとして通信応用の観点から、広島大学亀田教授より「Massive Connect IoTのための時空間同期による無線通信の高効率化」と題してご講演をいただいた。次いで、当機構インキュベーションプロデューサーの坂上氏からは「CASEと通信の動向」と題する自動車技術への展開を企図した講演が行われた。最後に、時空間同期の企業コンソーシアムに関して、原主任研究員よりXGMF等の活動とともに紹介がなされた。
プログラムの合間には、企業展示およびポスターセッションも実施され、時空間同期関連のデバイスからシステム応用まで、NICTとの共同研究や委託研究の枠組みに捉われない様々な分野からの報告がなされた。
今後は、関連企業によるコンソーシアムの立ち上げとXGMFとの連携等を推進し、時空間同期技術の産学連携体制を構築していく予定である。同時にこれらを通して今中長期計画で得られた研究成果の社会実装や次期中長期計画に向けた産業界のニーズ把握も推進していく。