第18回 NICT/EMC-net シンポジウムを開催
2024.10.29
当研究所の電磁波標準研究センター電磁環境研究室は、我が国の電磁的両立性(EMC)分野の技術向上を目的として、研究者や技術者が情報交換や意見交換を行うオープンフォーラム「NICT/EMC-net」を2006年に設立し、オープンイノベーション活動を継続している。本フォーラムは4つの研究会で構成されており、年に一回の頻度で全体のシンポジウムを開催している。今年度は10月11日(金)に「第18回NICT/EMC-netシンポジウム」を開催した。当日は電気電子機器及び測定機器等のメーカー、試験機関、大学、官公庁・団体などから101名(関係者28名を含む)の参加をいただいた。
毎年のシンポジウムにおいてはEMC関係者の関心を集めるテーマを設け、各界の著名な専門家に基調講演を依頼している。本年度は成層圏通信プラットフォーム(HAPS)に焦点を置いて、ソフトバンク株式会社の長手厚史様から、「成層圏通信プラットフォーム(HAPS)の最新動向」について基調講演をいただいた。衛星や地上ネットワークの代替・補完として広域通信や災害時のインフラを提供できる仕組みや、周波数割当の動向など、HAPSの基礎から最新にわたる情報をご紹介いただき、多数の質問が寄せられるなど大きな関心を集めた。続いて、NICTワイヤレスネットワーク研究センター宇宙通信システム研究室の辻宏之室長から、「NICTにおける成層圏通信プラットフォーム(HAPS)の研究開発」の講演をいただき、2000年代当初のHAPS研究開発における国際的取組に始まり現在に至るまでの技術発展、さらにHAPS向けの地上用アンテナにおける電磁干渉問題といったEMCの課題についても紹介された。また、EMCの国際標準化に関わるNICT/EMC-net会員のために、最近の国際規格審議の情報提供として、電磁波標準センター電磁環境研究室の千代島研究技術員より、テレビやファックス、PCなどのマルチメディア情報家電等からの電磁雑音の許容値や測定方法を所掌するCISPR SC-Iの審議動向について報告した。
第2部では昨年度におけるNICT/EMC-netのEMC測定法研究会、EMC校正法研究会、人体の電波ばく露評価研究会の活動報告が行われた。
【リンク】
プログラム(敬称略)
【第1部】 HAPSの最新動向 |
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【第2部】 NICT/EMC-net 活動報告 |
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