IEC/CISPR SC-A国際標準化会議を開催
2024.10.29
2024年10月21日(月)~25日(金)、NICTイノベーションセンターにおいて、IECのCISPR(国際無線障害特別委員会)SC-A(A小委員会)国際標準化会議が開催された。当研究所電磁波標準研究センター電磁環境研究室の藤井上席研究員とチャカロタイ主任研究員が我が国のエキスパートとして審議に参加するとともに、会議の運営(会場全般)を担当した。本国際標準化会議は、会場を参加国持ち回りとして、年に一回開催されており、今年度は日本が中心となって開催した。現地参加者数は52名、オンライン参加20名(事前登録者数)であった。
IEC/CISPR SC-Aは、電磁妨害波測定法・測定器、測定場に関する国際規格を所掌としており、IEC/CISPRの他の小委員会が製品群ごとに定める規格ではSC-Aが策定した測定法の規格が引用されるため、IEC/CISPR SC-Aが策定する規格は基本規格と呼ばれている。最近の審議における重要なトピックスとしては、① ワイヤレス充電等に起因する30 MHz以下の放射妨害波レベルの増加に対応した測定の見直し、② 18 GHz~40 GHzにおける放射妨害波の測定全般の確立、③ 自動車のハーネスのような線路を流れる伝導性妨害波の測定法であり、NICTのエキスパートが議論を主導している。
IEC/CISPR SC-Aでは測定法に関する高度な知識・技術が求められ、かつ特定の業界の影響を受けることがない公的機関からの寄与が求められることから、情報通信分野を専門とする我が国唯一の公的研究機関であるNICTの電磁環境研究室は、今後も本国際標準化会議を主導し、国際社会への研究成果の効果的な実装に取り組んでいく。