「第3回時空間同期シンポジウム」を開催
2024.8.2
当研究所の電磁波標準研究センター時空標準研究室が掲げる「時空間同期」ビジョンの共有・連携・加速を関連企業と進めるために、「第3回時空間同期シンポジウム」を2024年8月2日にNICT小金井本部にてハイブリッド形式で開催した。当日は民間企業、大学等から合計98名(うち大学・研究機関から33名、民間企業から65名)の参加があり、81名が対面参加であった。
プログラムは2部構成とし、第1部では、総務省受託研究「周波数資源の有効活用に向けた高精度時刻同期基盤の研究開発」の総合研究会として、当該研究開発を構成する7つの研究課題の代表者から最新の研究成果を報告するとともに、パネル形式にて質疑応答を行った。
第2部では、時空間同期技術の社会実装に向けて企業コンソーシアムを立ち上げるべく、時空間同期技術の開発に携わる可能性の高いポテンシャル企業の関係者をお招きし(企業30社、大学・研究所5機関)、当該研究開発の概要とXGモバイル推進フォーラムとの連携方針の説明を行うとともに、2件の招待講演、12機関からの技術展示を実施した。2部からのみの参加者は35名(うち大学・研究所から2名(1機関)、企業から33名(Web参加は7名)(20社))であった。招待講演は時空間同期技術の社会実装を意識し、「時空間同期とデジタルツインを考える。」として、株式会社NTTドコモの田村僚士様から「NTTドコモにおける6Gに向けたDigital twinに関する取り組み」、富士通株式会社の冨森英樹様から「富士通の海洋デジタルツインにおける取組と時空間同期を考える」のご講演をいただいた。ご講演の後、質疑応答を行い、デジタルツインの社会実装や実現に向けた企業間の連携など、様々な議論がなされた。
プログラムの合間に設けた企業展示では、当該受託研究の参画企業8社およびNICTによる技術展示を行った。また、受託研究終了後の社会実装を見据えて、潜在的な協業企業として参画企業の枠外から3社の技術展示も併催した。さらにシンポジウム終了後には、有志参加にて名刺交換会を実施した。
今後も、同シンポジウムを定期開催するとともに、関連企業によるコンソーシアムの立ち上げやXGMFとの連携を検討して、時空間同期技術の産学連携体制を構築していく。これらを通して今中長期計画で得られた研究成果の社会実装や次期中長期計画に向けた産業界のニーズ把握を効果的に進めていく予定である。