GPM10周年記念シンポジウムの開催
2024.7.19
2024年7月19日(金)、丸ビルホール7階(東京都千代田区)おいて「GPM10周年記念シンポジウム -宇宙から雨を読み解く: 全球降水観測計画(GPM)の10年と将来の降水観測に向けて-」が開催された(JAXA主催・NICT/NASA共催)。GPMミッションはNASA/JAXAの国際協力ミッションであり、JAXAとNICTが共同開発した二周波降水レーダーを搭載したGPM主衛星が2014年2月に打ち上げられ、本年がちょうど10周年に当たる。本シンポジウムは、GPM主衛星が10年の節目を迎えるにあたり、GPMミッションで得られた科学的成果や社会での活用事例といった衛星降水観測の意義と社会への貢献をアピールし、さらに今年から本格始動した雲エアロゾル放射ミッション(EarthCARE)や、新たに始まったGPMミッションの後継とも言える降水レーダー衛星(PMM)ミッションなど、衛星による雲・降水観測の将来展望を紹介することを目的として企画された。
シンポジウムはJAXAの瀧口理事の開催挨拶に始まり、内閣府・文部科学省・総務省・NASAの各来賓からGPM10周年の祝意が述べられた。「全球降水観測計画(GPM)の10年間の成果」と題した講演前半では、JAXAやNASAが進める地球観測ミッションの全体説明、GPMミッションにて開発が進められている全球衛星降水マップ(GSMaP)の様々な分野での利用事例、GPM主衛星が搭載する二周波降水レーダーから得られた科学的成果などが紹介された。「社会での活用事例及び今後の雲降水観測の展望」と題した後半では、気象庁や国際協力機構におけるGPMデータの利用事例や社会課題解決のために民間企業・大学等で進められている衛星データ利用の取り組みが紹介され、最後に将来に向けて日本や米国が進めている衛星による雲・降水観測ミッションの紹介が行われた。
NICTからは、休憩時間のミニトークとして当研究所リモートセンシング研究室の川村室長が「GPMにおけるNICT研究開発の歴史」を紹介し、GPM主衛星の打ち上げ前10年を含めた20年のNICTの研究開発を振り返りつつ、EarthCAREやPMMミッションにおけるNICTの今後の貢献について紹介した。
2023年は世界の平均気温が観測史上最も高かったと報告されているように、最近の気象・気候に対する社会的関心の高さもあり、現地参加は約200名、オンラインも含めると約700名の参加となった。
【リンク】