「COMPUTEX TAIPEI 2024」への透明ARディスプレイ出展
2024.6.4~7
当研究所の電磁波先進研究センターデジタル光学基盤研究室で開発を進めてきたホログラムプリンター応用先の1つである透明ARディスプレイ(参考:透明ARディスプレイに高精度計測データによるフォトリアルな3D表示を実現[NICT報道発表 2022.1.31])を、2024年6月4日(火)から6月7日(金)まで台湾台北市、台北南港展示館にて開催された展示会COMPUTEX TAIPEI 2024に出展した。
COMPUTEX TAIPEIはアジア最大規模のIT産業見本市(2024年度の来場者数は85,179人)であり、透明ARディスプレイの周辺ハードウェアの実装に必要なベンダー(ホログラムやプロジェクタ以外のハードウェア部分を担うメーカー)との連携深化が期待できる。透明ARディスプレイに搭載されている9つの小型レーザープロジェクタは、NDAベースで協力関係にある台湾Ultimems社で開発され、かつ、NICTの透明ARディスプレイ用に調整されたものである。
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展示ブースの様子(透明ARスクリーンで動画のデモコンテンツの表示を行った)
なお、競合する他企業の展示では、台湾メーカーが視線追従型の3Dディスプレイを展示しており一定の人気を博していたが、視線追従の煩わしさや不自然さから、「NICTのAR3Dの方が自然な立体映像でよい」という声を複数もらう一方で、「AR3Dはレーザー光源特有のスペックルが気になる」など、体験者から見た競合技術とのメリットデメリットが明確になる情報を得ることができた。
今回の展示期間を通し、デモ体験者数は約310人、ハンドアウト配布数は約290枚だった。体験者の内訳は、広告系、商社系、アミューズメント系、メーカー等にバランスよく多岐に亘っていた。透明ARディスプレイは、COMPUTEX TAIPEI以降も各種展示会などで展示を行うとともに、透明ARディスプレイの社会実装に向けた協業先の探索等を行っていく予定である。
【リンク】
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来場者とのインタラクション
(透明ARディスプレイのスクリーン技術の説明)
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6/4~6/7の展示で、連日75名~100名程度が透明ARディスプレイのデモを体験