EarthCARE衛星機体のメディア公開
2024.2.1
日欧が協力して開発を進めている雲エアロゾル放射ミッション(EarthCARE: Earth Clouds, Aerosols and Radiation Explorer)の衛星打ち上げが2024年5月に迫る中、2月1日にドイツ・エアバス社において同衛星実機のメディアへの公開イベントが開催され、NICTからは当研究所電磁波伝搬研究センターの石井研究センター長、グローバル推進部門欧州連携センターの藤沼連携センター長が現地参加した。
JAXAとNICTが共同開発したEarthCARE衛星には、衛星からの世界初となるドップラー観測機能を有する雲プロファイリングレーダ(CPR: Cloud Profiling Radar)が搭載され、温暖化など地球環境変動メカニズムの解明、気候モデルの検証・改良、気象や大気環境の予測改善などへの貢献が期待されている。今回のイベントは、最終確認試験が終了した同衛星機体を打ち上げ射場(米国カリフォルニア州ヴァンデンバーグ)へ輸送する前に、欧州で見られる最後の機会として開催された。イベントでは、EarthCAREミッションの目的や意義、衛星の構成や開発の歴史などについて、ESA、JAXA等から説明があった後、事前登録した参加者がクリーンルームに入り、衛星機体を間近で確認した。
同イベントにおいてJAXAの寺田弘慈理事は、「EarthCAREは20年以上前に検討が開始されたにもかかわらず、EarthCAREが今ほど待ち望まれているときはない。それは、素晴らしく、先験的な科学的要求に基づいたミッションだからだ。JAXAがNICT(情報通信研究機構)と共に開発した雲プロファイリングレーダ(CPR)を提供できることを非常に誇りに思っている。」との挨拶を述べられた。
5月のEarthCARE衛星打ち上げ後、NICTではCPRの校正を担当する他、JAXAと協力してアルゴリズム開発・評価およびプロダクトの検証を行う計画である。
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