「電波ばく露レベルモニタリングシンポジウム
~5年間のプロジェクトの成果及び今後の展望~」を開催
2023.12.19
当研究所の電磁波標準研究センター電磁環境研究室では、2019年より総務省生体電磁環境研究「電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用」を受託している。今年度が最終年度となる本課題の成果に関し、情報公開の一環として2023年12月19日(火)に「電波ばく露レベルモニタリングシンポジウム ~5年間のプロジェクトの成果及び今後の展望~」をコングレスクエア日本橋にて開催した。2021年の第1回シンポジウムに続き、2回目のシンポジウム開催となる。当日は、通信事業者、製造業、研究機関、官公庁等、幅広い業種から103名(関係者を含む)の参加をいただいた。
NICT安井理事による開会挨拶に始まり、総務省総合通信基盤局電波部長の荻原様による来賓挨拶をいただいた。第一部として、同電波環境課長の内藤様から「総務省における電波の安全性に関する取組み」を講演いただき、続いてNICT職員より受託研究の活動紹介や研究成果を発表した。
また、第一部開始前の30分間及び第二部開始前の休憩30分間に電波レベルモニタリングやリスクコミュニケーションにおける最新の研究成果について5枚の研究ポスターを掲示し、プロジェクトに従事するNICT研究員や研究技術員が総務省関係者・有識者・機構幹部や一般参加者に直接説明を行い、学会の場とは異なった観点で活発な質疑応答が交わされた。
第二部は、パネルディスカッション「電波ばく露レベルモニタリング研究の将来への展望-2040年にむけた取り組み」として、電波レベルモニタリングの長期的実施に向けた取り組みやコミュニケーションのありかたなどについて、将来の研究・調査における指針を得るために、意見・議論が活発に交わされた。例として東京工業大学 高田教授より、総務省検討会から電波ばく露レベルモニタリングは2040年頃までの長期的な取り組みが必要と提言されていることについて、携帯電話システムは「10年で一世代」であるため、無線通信・放送システムの最新技術による省電力化等を考慮しながら、2040年以降も調査を継続する必要があろうとの見解が示された。また、リスクコミュニケーションに関しては、電波のベネフィット認知も含めた総合コミュニケーションの必要性(日本文理大学 甲斐教授)、若年層への教育も含む消費者の電波リテラシー向上の必要性(全国消費生活相談員協会 増田理事長)などの意見があげられた。参加者から多数寄せられた質問についても議論が行われた。最後に、当研究所の中川所長による閉会の挨拶で盛会のうちに終了した。
プログラム(敬称略)
開会挨拶 |
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来賓挨拶 |
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第1部 講演 |
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第2部 パネルディスカッション |
高田 潤一(国立大学法人東京工業大学 教授) 甲斐 倫明(日本文理大学 教授) 増田 悦子(公益社団法人全国消費生活相談員協会 理事長) 大久保 千代次(一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター 所長) 藤原 史隆(総務省総合通信基盤局電波部電波環境課 課長補佐) 大西 輝夫(NICT) 山口 さち子(NICT 電磁波研究所 電磁波標準研究センター 主任研究員) |
閉会挨拶 |
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ポスター発表
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