西岡主任研究員およびSepti Perwitasari研究員が
「地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)論文賞」を受賞

2023.9.26

当研究所電磁波伝搬研究センター宇宙環境研究室の西岡未知主任研究員およびSepti Perwitasari研究員が、地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)のSGEPSS論文賞を受賞した。この賞は、SGEPSSの会員が責任著者として、過去2年間に地球惑星科学分野の国際学術誌「Earth, Planets and Space」に出版した論文のうち、将来性・独創性の高さや関連分野への影響の大きさなどの観点から毎年1篇のみ表彰されるものである。

今回受賞した論文は、2022年1月15日の南太平洋トンガ沖海底火山の大規模噴火に伴って同心円上の電離圏擾乱が地球規模で広がっていく様相や、噴火に伴う大気波動の到達前に日本上空に現れた電離圏変動を、全球測位衛星システム(GNSS)などの観測データにより詳細に捉え、その発生機構を解明したものである。西岡主任研究員およびSepti研究員は、GNSSを用いた電離圏観測の手法開発や観測データベース作成の点で大きく貢献した。本論文を発表した2022年7月には、共著者である名古屋大学および電気通信大学と共同でNICTから報道発表を行い、国内外の多くのメディアによって取り上げられるなど注目を集めていた。本研究の成果は、電離圏が下層の大気圏や気象現象からどのように影響を受けるのかという科学的解明の研究につながるとともに、電離圏変動からの地震や火山等を起源とする大気波動や津波到来予測に関する情報を得られる可能性を示している。

西岡主任研究員(左)、Septi Perwitasari研究員(右)

西岡主任研究員(左)、Septi Perwitasari研究員(右)

受賞論文:
Electromagnetic conjugacy of ionospheric disturbances after the 2022 Hunga Tonga-Hunga Ha'apai volcanic eruption as seen in GNSS-TEC and SuperDARN Hokkaido pair of radars observations
著者:
Atsuki Shinbori, Yuichi Otsuka, Takuya Sori, Michi Nishioka, Septi Perwitasari, Takuo Tsuda & Nozomu Nishitani
DOI:
10.1186/s40623-022-01665-8
出版日:
2022年7月13日

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