藤井研究マネージャーが「電波環境協議会表彰」を受賞

2023.7.3

当研究所電磁波標準研究センター電磁環境研究室の藤井勝巳研究マネージャーが、2023年度の電波環境協議会表彰を受賞した(受賞日:令和5年7月3日)。本受賞は、電磁雑音の測定に関する分野の研究開発に取り組み、CISPR国際標準化会議に積極的な寄与を行ってきたことが評価されたもの。

藤井研究マネージャーは、電磁雑音測定法の一般的要件を定める国際規格(CISPR 16シリーズ)のうち、測定用アンテナ較正法、較正に必要な測定サイトの評価法、電磁雑音を測定するために用いる測定サイトの評価法について、長年に渡り、評価法の策定や改定に取り組んできた。

今回、30 MHz以下の周波数(9 kHz~30 MHz)の電磁妨害波測定法のCISPR規格化において、標準ループアンテナや較正法や評価法を開発し規格化を主導する等の貢献が表彰された。この周波数帯は、NICTが発射している標準電波(40 kHz/60 kHz)や非接触ICカード、ラジオ放送や各種通信だけでなく、近年、IH調理器、無線充電システムなど、放送・通信以外での新しい電波利用が進んでいる。その一方で、省エネ機器からのインバータ雑音が発生する周波数帯であり、空間に放射される電磁妨害波の測定に関する規格の策定が国内外から望まれていた。新たに策定された3つの規格は、いずれも「基本規格」と呼ばれる規格群に分類されており、電気自動車や自動搬送ロボットなどへの無線充電システムや、省エネ電化製品、情報通信端末などから生じる電磁雑音を規制するために各業界分野で定める「製品規格」に引用されることになる。通信分野に限らず、我が国の幅広い業界で用いられていく測定法であり、その社会的インパクトは大きい。

藤井勝巳研究マネージャー

藤井勝巳研究マネージャー

表彰状

表彰状