時刻・周波数標準領域のトップカンファレンス「IEEE IFCS-EFTF 2023」を開催
2023.5.15~19
時刻や周波数標準の領域のトップカンファレンスは、北米を中心としたIEEE International Frequency Control Symposium (IFCS, 国際周波数制御シンポジウム)と、欧州を中心とした European Frequency and Time Forum (EFTF, 欧州周波数時間フォーラム)があるが、両者は独立開催と合同開催を交互に行ってきた。当研究所電磁波標準研究センター時空標準研究室は、日本での合同開催要請を2018年に受け、準備を進めてきた。コロナ禍により開催が当初予定より1年遅れたが、2023年5月15日から19日の日程で井戸室長を総合議長として、富山市の富山国際会議場でハイブリッド形式により開催した(主催者:IEEE及びEFTF)。また、この分野のアジア太平洋地域の研究集会として2000年頃よりNICTが主導して発足した「アジア太平洋時刻周波数ワークショップ」も併催し、オンサイトで420人、オンラインで100人の参加者、また展示会への出展は23社に及んだ。技術講演数は口頭135件(内16件リモート)、ポスター221件となり、精力的な議論が繰り広げられた。
会議は最初、梶田隆章東京大学卓越教授により岐阜県神岡で開発が進められている重力波干渉計KAGRAについて基調講演をいただき、また3日目にはJ. Doyleハーバード大学教授から冷却分子分光についての基調講演、そして最終日に香取秀俊東京大学教授の招待講演が行われた。歓迎レセプション、会議夕食会共に屋外での実施とし、好天にも恵まれ会期を終了した。
会期を終えた翌日20日と翌週の22日には、NICT本部、理化学研究所、国立天文台、大阪大学のラボツアーを行い、それぞれのツアーに56名(NICT本部と理化学研究所)、16名(国立天文台)、9名(大阪大学)が参加し、時空標準研究室や電磁波研究所の他の研究室のアクティビティーを説明した。
【リンク】