国際地球基準座標系ITRF2020への貢献に対する認定証を受領

2023.2.22

30年余の長きにわたり国際的な測地VLBI観測を行ってきた鹿島宇宙技術センター(鹿島26m、34m、及び11mアンテナ)と小金井11mアンテナに対して(※1)、国際VLBI事業より国際地球基準座標系ITRF2020(※2)への貢献認定証が授与された。

ITRFは地球上の3次元的な位置を統一的に表すための基準座標系である。基準座標系はナビゲーションや測量分野で日常生活を支えるGPSやQZSSなどの衛星測位システム(GNSS)に不可欠なだけでなく、地球規模の海水面変動・気候変動の科学的観測を行う際の基盤ともなっている。ITRFはVLBI、GNSS、SLR(衛星レーザー測距)、DORIS(電波灯台衛星測位システム)などの宇宙測地観測の結果を統合して数年ごとに更新されており、6年ぶりの改訂となるITRF2020は、1980年から2021年の観測データを使い、異なる宇宙測地技術の観測点間を結合する地上測量データを加えて整合性を高めた他、巨大地震による地殻変動の影響も考慮した座標系となっている。

NICTはアジア地域における主要かつ実績あるVLBI観測局として、鹿島26m、34m、11mアンテナと小金井11mアンテナを使って1980年代より国際測地VLBI観測プロジェクトに参加し、ITRFの精度向上や地球回転の計測に貢献してきた。今回の認定証授与は、長年に渡る貢献が国際的にも大きく評価された結果である。

※1 鹿島26mアンテナは2003年に、鹿島34m、及び11mアンテナは2021年度に解体・撤去されており、小金井11mアンテナは現在も国際VLBI観測及び宇宙環境研究室による太陽観測衛星からのデータ受信に利用されている。
※2 ITRF2020: International Terrestrial Reference Frame 2020年版

小金井11mアンテナへのITRF2020への貢献認定証

小金井11mアンテナへのITRF2020への貢献認定証

上段左から:鹿島26m、34mパラボラアンテナ、下段左から:鹿島11m、小金井11mパラボラアンテナ

上段左から:鹿島26m、34mパラボラアンテナ
下段左から:鹿島11m、小金井11mパラボラアンテナ