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2021.06.01(火)

VLBIプロジェクトが「電波の日」総務大臣表彰を受賞

2019年台風15号による損傷前の
34mパラボラアンテナ

6月1日の「電波の日」にあたり、NICT鹿島宇宙技術センターで昨年度まで実施してきたVLBI(超長基線電波干渉計)プロジェクトが『第71回「電波の日」総務大臣表彰』を受賞した。表彰の功績には「日本を代表する観測局として鹿島34メートルパラボラアンテナを永きにわたり活用し、超長基線電波干渉法による太平洋プレート運動の観測をはじめ、数々の国際プロジェクトに参画したほか、国内外研究機関に技術移転を行なうことで、電波利用の研究開発基盤の発展に多大な貢献をした。」と記されている。

郵政省電波研究所鹿島支所(現、鹿島宇宙技術センター)では、1980年代から衛星通信用の鹿島26mパラボラアンテナを利用して太平洋プレート運動検出等のVLBIの成果を上げていたが、1988年に国内初のVLBIを主目的としたアンテナとして34mパラボラアンテナが設置され、西太平洋電波干渉計国際プロジェクトをはじめ、30年以上にわたってプレート運動や地球回転の観測などの国際プロジェクトに参画し、国内外の電波望遠鏡と協力したVLBI観測を実施してきた。

鹿島34mパラボラアンテナには、上記の観測的な功績に加え、VLBI観測技術向上のための基盤施設としての功績がある。とくにNICTが独自に開発したVLBI観測システムやデータ処理ソフトウェアは国内外の研究機関へ技術移転されて、測地観測や電波天文観測の発展に寄与したほか、衛星運用事業者における静止衛星の軌道決定に利用されるなど、民間での実利用の実績もある。一昨年からは、VLBIによる大陸間における光格子時計の時刻比較実験に成功し、光時計の地球規模のグローバルリンクを超高精度に実現できることを実証した。

鹿島34mパラボラアンテナは、2019年の台風被害を受けて運用を停止し、2020年度末に撤去を完了したが、国際VLBI観測は小金井11mパラボラアンテナを使って継続しており、引き続き国内外への技術移転等を通してこの分野の発展に寄与していく。

リンク:令和3年度「電波の日・情報通信月間」における表彰(総務省ホームページ)

【参考】NICT VLBIプロジェクトの主要な成果

1975年日本最初のVLBIシステム開発開始
1977年国内初のVLBI基礎実験(鹿島・横須賀間)成功
1985年太平洋プレート運動理論をVLBI観測によって実証
1988年34mパラボラアンテナが完成し、西太平洋電波干渉計プロジェクトを開始
1990年世界初の南極VLBI試験観測成功
1997年スペースVLBI衛星「はるか」とのVLBI観測成功
2000年VLBI観測で三宅島噴火に伴う館山局・三浦局の地殻変動を検出
2003年小惑星探査機「はやぶさ」の相対VLBI観測に成功
2009年高速インターネットを介した国際リアルタイムVLBI電波天文観測に成功
2019年日本・イタリア間で光格子時計の大陸間周波数比較に成功

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