「電磁波研究所シンポジウム2020」を開催
2020.11.27
電磁波研究所における最新の研究成果を紹介し、次期中長期計画への課題を展望するため、2020年11月27日(金)の午後、「NICT電磁波研究所シンポジウム2020 ~Beyond 5G/6G時代を切り拓く電磁波技術の未来~」を、Zoomウェビナーを使って開催した。当日は、一般企業、省庁、大学などNICT外から197名、NICT内から129名、合計326名の参加をいただいた。
本シンポジウムでは、NICT徳田理事長による主催者挨拶、総務省国際戦略局技術政策課栁島課長による来賓挨拶に続いて、平研究所長による当研究所の現状や将来への方向性の概要を紹介した後、安藤真東京工業大学名誉教授から電磁波技術の過去・現状・将来を俯瞰した招待講演をいただいた。次に、電磁波技術の最新の研究成果について当研究所の若手研究者から講演を行った。また、研究施設等を使って普段から実施している研究活動をネット上で紹介する目的で、研究現場内にビデオカメラを入れてデモンストレーションを行った映像に、NICT広報部の職員が聞き手となって研究者から興味深い解説を引き出す「バーチャルラボ紹介」のプログラムも企画した。
後半の「自由討論」のプログラムでは、「電磁波技術が切り拓く未来とは?」をテーマに、当研究所の各研究分野における外部有識者の方々を迎えて、次期中長期計画を見据えた将来展望について討論を行った。まず、Beyond 5G/6Gの実現が想定されている2030年頃の社会イメージからいくつかの重要なキーワードをピックアップし、それぞれのキーワードに関連深い電磁波技術の未来に向けた方向性について議論が行なわれた。外部有識者の方々からは、将来の社会課題の解決に向けたNICT全体や電磁波研究所への期待や、関連機関・企業との連携、NICTのリーダーシップへの要望が寄せられた。最後に安藤名誉教授による総括が行われ、「持続可能な社会のために変化を恐れず挑戦してほしい」とのコメントをいただいた。その後、NICT門脇理事の挨拶で閉会した。
当日ご参加いただいた皆様にお礼を申し上げます。
【リンク】
プログラム
13:00-13:05 |
主催者挨拶徳田 英幸(情報通信研究機構 理事長) |
---|---|
13:05-13:10 |
来賓ご挨拶栁島 智 様(総務省 国際戦略局技術政策課 課長) |
講演 | |
13:10-13:20 |
電磁波研究所の「これまで」と「これから」平 和昌(電磁波研究所 研究所長) |
13:20-14:10 |
【招待講演】
安藤 真 様(東京工業大学 名誉教授)
|
14:10-14:30 |
豪雨災害を引き起こす雨の種「水蒸気」を光で測る岩井 宏徳(電磁波研究所 リモートセンシング研究室 主任研究員) |
14:30-14:50 |
太陽フレアAI予報と宇宙天気予報への応用西塚 直人(電磁波研究所 宇宙環境研究室 テニュアトラック研究員) |
14:50-15:00 | 休憩 |
15:00-15:30 | バーチャルラボ紹介(研究ラボでのデモンストレーション映像・解説の配信) |
15:30-15:50 |
原子時計チップの開発とその社会実装に向けたシナリオ原 基揚(電磁波研究所 時空標準研究室 主任研究員) |
15:50-16:10 |
5G時代における安心・安全な電波利用の実現に向けて佐々木 謙介(電磁波研究所 電磁環境研究室 主任研究員) |
16:10-16:30 |
デジタルホログラム光学素子の応用と未来大井 隆太朗(電磁波研究所 電磁波応用総合研究室 研究マネージャー) |
16:30-16:40 | 休憩 |
自由討論 | |
16:40-17:50 |
電磁波技術が切り拓く未来とは?【ゲスト】 平 和昌(電磁波研究所 研究所長) |
17:50-18:00 |
閉会挨拶門脇 直人(情報通信研究機構 理事) |
バーチャルラボ紹介
- マルチパラメータフェーズドアレイ気象レーダー
リモートセンシング研究室 花土 弘 研究マネージャー - 宇宙天気予報
宇宙環境研究室 中溝 葵 主任研究員 - ストロンチウム光格子時計
時空標準研究室 蜂須 英和 主任研究員 - 先端EMC計測技術
電磁環境研究室 藤井 勝巳 研究マネージャー - デジタルホログラフィ
電磁波応用総合研究室 市橋 保之 主任研究員、田原 樹 研究員
聞き手:徳田 綾(NICT 広報部報道室)