第14回 NICT/EMC-net シンポジウムを開催
2020.10.12
当研究所の電磁環境研究室では、電磁両立性(EMC)研究者・技術者の情報・意見の交換を目的としたオープンフォーラム「NICT/EMC-net」を2006年に立ち上げ、オープンイノベーションに向けた活動を継続して行っている。現在の会員数は延べ646 名である。このたび、2020年10月12日(月)に「第14回 NICT/EMC-net シンポジウム」をオンライン開催した。当日は、電気電子機器や測定器等のメーカ、通信事業者、試験機関、官公庁などから、接続数145(講師・NICT関係者を含めると174)の参加をいただいた。
今回のシンポジウムでは「EMC in CASE -モビリティ社会におけるEMC-」をテーマとして取り上げた。 東京大学の堀教授に、未来の車とその供給エネルギーにおける技術的特徴とそれらがもたらす社会への幅広い影響の可能性について基調講演をお願いした。続いてトヨタ自動車の野島氏から、自動車に関する無線通信技術や必要とされる設計・評価に関する知見が紹介された。さらに日本品質保証機構の塚原氏から、自動車のEMC試験法に関する技術要素と規格の動向が述べられた。講演に続いて、EMC-netの各研究会から昨年度の活動報告が行われた。
各講演を通じ、自動運転技術の社会実装に向けて、高効率エネルギー供給技術や動作の安全を保障するEMC試験技術の開発が必要不可欠である一方で、電装化の進む自動車内部において不規則な電磁雑音が発生すると同時に多種の無線通信が使用される複雑な電磁環境が形成されており、早急に取り組むべき技術的課題が認識された。特にNICTに対しては、新しいエネルギー供給方式が人体へ与える影響、自動車における電磁雑音の発生結合メカニズムに関する研究開発と、それらに基づく測定法の確立や標準化への複合的な取り組みが強く望まれていることをあらためて認識した。
引き続き本フォーラムを活用して産業界や関係機関との連携を強化し、NICTとしての役割を果たしていきたい。
【リンク】
プログラム(敬称略)
基調講演 |
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講演 |
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EMC-net活動報告 |
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