日本原子力学会「原子力知識・技術の普及貢献賞」を受賞

2020.4.20

本賞は、我が国における原子力に関する知識・技術の普及や実用化に優れた貢献を行った個人またはグループに授与されるものである。当研究所宇宙環境研究室の塩田主任研究員ほかの研究グループは、大規模太陽フレアに伴う宇宙放射線の突発的な増加の影響をリアルタイムで推定する「太陽放射線被ばく警報システム WASAVIES (Warning System for Aviation Exposure to Solar Energetic Particles)」の開発を行い、原子力・被ばくに関する知識の普及や実用化への貢献が認められ、今回の受賞となった。

宇宙線の強度は高度の上昇に伴って高くなるため、航空機高度では地上に比べて有意に被ばく線量が大きい。そのため、航空機の乗務員の被ばく線量管理は重要なタスクである。一方で、大規模な太陽フレアが発生すると、太陽から飛来する宇宙線が突発的に増加することにより、高エネルギー放射線が極地方に大量に降り注ぐ可能性がある。太陽フレアに伴う被ばく線量に関しては、従来の被ばく線量管理に含まれておらず、太陽放射線のリアルタイム検出技術の開発が渇望されていた。

当研究グループは、物理モデルを介して、地上の中性子モニターと静止軌道衛星で観測した宇宙線強度のデータを内挿することにより、地球上のあらゆる場所で、航空機高度を含む地表面から上空高度100 kmまでの範囲の宇宙線被ばく線量をリアルタイムで推定するシステム「WASAVIES」を開発した。2019年11月から、WASAVIESの運用・公開が開始され、また国際民間航空機関(ICAO)に対しても情報の提供を開始しており、航空機の運航管理での利用が期待される。

受賞日:
令和2年4月20日 ※ 表彰式は新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止
受賞名:
2019年度 日本原子力学会 関東・甲越支部表彰 原子力知識・技術の普及貢献賞
授与団体:
一般社団法人日本原子力学会 関東・甲越支部
受賞内容:
太陽放射線被ばく警報システム WASAVIES の開発
受賞者:
塩田大幸 主任研究員、久保勇樹 研究マネージャー、石井守 宇宙環境研究室長
佐藤達彦 様(日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 研究主幹)
保田浩志 様(広島大学 原爆放射線医科学研究所 教授)
(左から)久保勇樹 研究マネージャー、塩田大幸 主任研究員、石井守 宇宙環境研究室長

(左から)久保勇樹 研究マネージャー、塩田大幸 主任研究員、石井守 宇宙環境研究室長