タイ・KMITLがプラズマバブル観測レーダー設置についての
記者発表会を開催

2019.11.26

2019年11月26日(火)、タイ王国モンクット王ラカバン工科大学(KMITL)は、NICTがKMITLチュンポンキャンパスに設置を進めている「プラズマバブル観測レーダー」に関する記者発表会を開催した。当日は、KMITLからAnuwat Jangwanitlert統括副学長、Wattanachai Pongnak副学長からの発表声明に続き、当研究所の平所長から宇宙天気の社会的意義と同レーダーとの関係について説明し、その後、現地の記者との活発な質疑応答がなされた。また、宇宙環境研究室のHozumi研究員も進行役を務めた。本記者発表会には、TV局や新聞社、計18社の参加があり、タイ国内のTVニュースやインターネット上で多数取り上げられた(ウェブニュース11件、紙面1件、TVニュース1件)。また、グローバル推進部門アジアセンターから現地の日本メディアにも本発表会の開催を伝えたことで4社が参加し、日本の新聞記事でも取り上げられた(紙面3件、ウェブニュース6件)。

プラズマバブルは、磁気赤道付近の電離圏で日没後に発生する自然現象で、局所的にプラズマ密度が減少して「泡」のような領域が電離圏内に出現する。GPS等による衛星測位における誤差の増大や衛星通信の品質低下の原因になることから、プラズマバブルの観測や発生予測が近年強く望まれてきた。タイのチュンポンは磁気赤道に近く、プラズマバブルの発生をいち早く監視できる最適な場所であり、NICTはKMITLと共同で観測レーダーを設置する計画を進めてきた。同レーダーは来年1月中旬に稼働を開始する予定である。

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記者発表会の様子

記者発表会の様子

KMITLおよびNICT関係者の集合写真

KMITLおよびNICT関係者の集合写真