「電磁波研究所シンポジウム」を開催
2018.12.21
2018年12月21日(金)の午後、AP市ヶ谷において「NICT電磁波研究所シンポジウム~電磁波を用いて新たな価値の創造を導く~」を開催し、今中長期計画のこれまでの活動成果を総括するとともに将来の活動の方向性を議論した。当日は176名の来場者があり、外部一般参加者では産業界関連(企業・財団など)が63%を占め、これまでの活動で直接の接点がなかった企業からも多くの参加をいただいた。
NICT徳田理事長による主催者挨拶、総務省技術政策課坂中課長による来賓ご挨拶に続き、第1部では当研究所の活動を紹介した。平研究所長による研究所全体のビジョン・ミッションの紹介に続き、5人の研究室長から担当する各技術の概要・現況と課題・最新の成果・将来計画などを紹介した。第2部では有識者を迎えたパネルディスカッションを行い、①研究所の現在の活動(パブリックサービス・研究開発・データの蓄積・公開)に対する課題や要望、②「新たな価値の創造」に向けた今後の活動(他の分野や機関との連携、新たな分野へのチャレンジなど)の2つのテーマについてフリートークで議論を進めた。
①においては、「パブリックサービスはグローバルな視野で実施してほしい」や「技術開発からデータ利活用まで一貫した視点で取り組んでほしい」、「社会基盤の維持に欠かせない活動であることをわかりやすく伝える努力が必要」などの意見をいただいた。
②においては、「過去に取得した質の高いデータも現在の技術でサイバー空間に移すことで新たな利用価値を生む」や「複数技術を組み合わせることはあくまで方法論であり、重要なのは人である」などの意見をいただいた。
また、シンポジウム開会前の1時間半と途中の休憩時間50分間を利用して、当研究所の若手研究者による個別の技術説明・デモンストレーションを行い、大変好評を博した。
最後に、国立高等専門学校機構の安藤真理事に全体総括をいただき、その中で特にSociety 5.0 を支えるセンシング技術の重要性と人材育成の重要性を力説された。その後、NICT細川理事の挨拶で閉会した。
当日は会場が満員になるほどの参加者があり、次回の開催を期待する声も寄せられ、当研究所の活動への関心の高まりを感じることができた。ご来場いただいた皆様にお礼を申し上げます。
【リンク】
プログラム
13:30-13:35 |
主催者挨拶徳田 英幸(情報通信研究機構 理事長) |
---|---|
13:35-13:40 |
来賓ご挨拶坂中 靖志 様(総務省 国際戦略局技術政策課 課長) |
第1部 電磁波研究所の研究活動紹介 | |
13:40-13:50 |
電磁波研究所のビジョンとミッション平 和昌(電磁波研究所 研究所長) |
13:50-14:10 |
大気・大地の変動を観る中川 勝広(電磁波研究所 リモートセンシング研究室 室長) |
14:10-14:30 |
安心・安全な宇宙利用のために石井 守(電磁波研究所 宇宙環境研究室 室長) |
14:30-14:50 |
時刻・周波数の基をつくる井戸 哲也(電磁波研究所 時空標準研究室 室長) |
14:50-15:10 |
安全・確実な電磁環境を目指して松本 泰(電磁波研究所 電磁環境研究室 室長) |
15:10-15:25 |
ユーザーとともに福永 香(電磁波研究所 電磁波応用総合研究室 室長) |
15:25-16:15 | 休憩(パネル展示・デモ) |
第2部 パネルディスカッション | |
16:15-17:15 |
電磁波技術が拓く未来とは?【パネリスト】 |
17:15-17:25 |
総括安藤 真 様(国立高等専門学校機構 理事) |
17:25-17:30 |
閉会挨拶細川 瑞彦(情報通信研究機構 理事) |
若手研究者による技術説明・デモンストレーション
- マルチレイヤー画像表示システム(SCALE)で視る航空機SAR観測データの解析結果
- 地上デジタル放送波を利用した水蒸気量推定手法
- 宇宙天気予報精度向上に向けたモデル開発
- 宇宙天気資料のアーカイブ(過去から未来へ)
- 日本標準時:現在・過去・未来
- 「日常生活の当たり前」と光時計で見据える「異次元な高精度」
- LED 照明から発生する電磁雑音による医用テレメータへの影響評価
- 第5世代携帯無線端末からの電波ばく露量の測定技術開発研究
- 波面プリントで作る光学素子を用いた表示