第6回アジア・オセアニア宇宙天気連合ワークショップの開催
2023.10.9~12
2023年10月9日(月)から12日(木)まで、マレーシアのクアラルンプール近郊にあるバンギリゾートホテルにおいて、「第6回アジア・オセアニア宇宙天気連合(Asia-Oceania Space Weather Alliance : AOSWA)ワークショップ」が開催された(主催:マレーシア国民大学(UKM)等マレーシア国内3大学、事務局:NICT)。AOSWAは、アジア・オセアニア域では初となる宇宙天気に係る研究開発や業務等の活動を主テーマにした国際的な活動の枠組みであり、現在17カ国38機関が加盟し、共同研究や情報交換等活発な活動が行われている。これまで、AOSWAのワークショップはおよそ2年ごとに、加盟機関が持ち回りで開催しており、当初は2020年にマレーシアで開催予定であったが、COVID-19の影響により延期が続き、前回から5年ぶりの対面での開催となった。
今回のワークショップは、8つのセッション(※)と4つの基調講演で構成されたプログラムで、AOSWA事務局のNICTを代表して当研究所の石井電磁波伝搬研究センター長からの歓迎挨拶後、UKM副学長のワン・カマル・ムジャニ教授による開会宣言により幕を開けた。マレーシア、日本、中国、韓国、タイ等16カ国から82名が参加し、各国における宇宙天気に関する研究や運用に関する発表(オーラル55件、ポスター16件)を行った。NICTからは6名が参加し、セッションコンビーナーや研究成果の発表等を行った。
Septi研究員が企画・提案したセッション「Connect the Local Observation to Global Network」では、各国の宇宙天気観測や運用が、①初期状況、②研究主体、③運用実施、④国際標準活動、⑤政策立案、の5段階で現状はどのフェーズか、また目標はどのフェーズかについて各国から報告後、パネルディスカッションにより、各国の目標到達に必要な協力体制や取組等について活発な議論がなされた。その他のセッションも活発な質疑応答で時間を超過する講演が多く出るなど、大変盛況であった。また、期間中に開催されたビジネスミーティングでは、次回以降のワークショップのホストを申し出る国が複数出るなど、各国機関からのAOSWAへの期待が伺えた。今後もAOSWAを通じて、アジア・オセアニア域の宇宙天気関連機関との連携強化を図っていきたい。
※ AOSWA 2023 : Session
1. Connect the Local Observation to Global Network
2. CGMS Efforts to Improve User Access to Operational Space Weather Data
3. Space Weather Awareness to the Community through Education
4. Application of Artificial Intelligence in Space Weather
5. Ionosphere-Thermosphere Dynamics and Coupling
6. Technique and Validation of Space Weather Forecast
7. Space Weather Impacts
8. General Topics for Space Weather
【リンク】