ウィンドプロファイラに関するISO国際規格が成立

2022.12.17

ウィンドプロファイラに関するISO国際規格「Radar wind profiler」が2022年12月に成立した(ISO 23032)。ウィンドプロファイラは、地上から上空に向けて発射した電波が風によって散乱され地上に戻ってくることを利用して、上空の風向・風速を測定するレーダである。

本規格は、2017年に作業項目ISO/TC146/SC5/WG8として登録され、以降、NICTが国内審議委員会委員、国際会議エキスパートとして主導的立場で策定を進めてきたものである。規格化における作業項目はドイツから提案され、同国を議長国として検討が進められてきた。国内審議委員会にはNICTの他に、気象庁・京都大学・国立極地研究所などから委員が選出され、ウィンドプロファイラを開発・製造する住友電設・三菱電機・住友電工がオブザーバ参加した。

2019年5月にはNICTがホストとなって大阪うめきたで国際会議を開催した他、委員会原案(CD)、国際規格原案(DIS)、最終国際規格案(FDIS)と作業を進める中で、各国(主にドイツ・フランス・米国)との議論をNICTが主導し、規格策定をスケジュールどおりに進めてきた。日本が有するウィンドプロファイラの優れた技術と運用経験に加え、NICTが研究開発を進めてきた分解能向上技術(レンジイメージング)や測定データ品質向上技術(アダプティブクラッター抑圧)を含んだ形でFDISが2021年12月に承認され、2022年12月に国際規格として発行された。

大阪うめきたで開催されたISO国際会議の模様(2019年5月)

大阪うめきたで開催されたISO国際会議の模様(2019年5月)